消費者庁、サプリメントの定義を決定
サプリメント全般を規制するため、消費者庁と厚生労働省は2025年秋から、それぞれの検討会で議論を進めてきた。消費者庁はGMP(適正製造規範)による製造管理の義務化、厚労省は事業者による健康被害情報の報告の義務化などを予定。その土台となるサプリメントの定義(規制の対象範囲)については、消費者庁が検討を重ね、2026年6月9日に開かれた食品衛生基準審議会新開発食品調査部会で決定した。定義に該当する製品については、規制の網をかける。
長年の課題だった定義づけ
サプリメントの定義づけは、長年にわたり課題となってきた。従来、サプリメントかどうかの判断基準はあいまいで、主にカプセル・錠剤はサプリメントとされてきたものの、液剤や粉末剤、ゼリー、グミなどについては事業者の判断に委ねられてきた。
このため、機能性表示食品の場合、グミ・ドリンク・粉末などの製品では、「加工食品(その他)」(一般的な加工食品)として届出を行う事業者と、「加工食品(錠剤、カプセル剤等)」(サプリメント)として届出を行う事業者が混在している。「加工食品(錠剤、カプセル剤等)」として届出を行った場合、GMP管理などが要件となることから、意図的に一般的な加工食品として届け出るケースも少なくない。
グミ・ゼリー・チョコ形状もサプリメントに
両省庁が導入する新たな規制は、すべてのサプリメントに適用される。既に規制が始まっている特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品に加え、栄養機能食品やいわゆる健康食品のうち、サプリメントの定義に該当する製品も対象となる。
消費者庁が決定したサプリメントの定義は、以下の2要件を同時に満たすものとなる。
・通常の食事による栄養摂取または生理機能の調節を補助することが目的とされる食品であること。
・(1)食品に含まれる成分の一部または全部が製造工程で濃縮されたもの、(2)錠剤・カプセル剤・液剤・粉末剤など摂取が容易な形状のもの、(3)その他の過剰摂取の恐れがあるもの――のいずれかに該当すること。
消費者庁によると、サプリメントに該当する製品の具体的イメージとして、錠剤・カプセル剤・液剤・粉末剤などと、グミ・ゼリー・チョコ形状などがある。菓子形状の製品も射程に入れたことは、サプリメントによる健康被害を防止する観点から、重要な取り組みとなる。
一方、子どものおやつなどに利用される“通常のお菓子”のグミ・ゼリー・チョコは対象外となる。ペットボトル飲料や生鮮食品など、明らかに一般食品と考えられるものも対象外とする。
事務連絡などで詳細を示す計画
サプリメントの定義の詳細は、事務連絡(QA)などで考え方を示す予定としている。規制から逃れるため、例えばクッキーやキャンディーへシフトするケースも予想されることから、どこまで幅広くカバーできるのかが問われそうだ。
また、今後は機能性表示食品の届出時に、サプリメントかどうかの判断が明確になるとみられる。前述したとおり、現行の機能性表示食品制度はサプリメントかどうかの判断基準があいまいなことから、グミや液剤などで、「加工食品(錠剤、カプセル剤等)」による届出と「加工食品(その他)」による届出が混在している。しかし、サプリメントの定義が決定したことで、機能性表示食品の届出も統一される可能性が出てきた。
【文責・木村祐作(半蔵門パートナーズ法律事務所顧問) 監修・堤世浩(半蔵門パートナーズ法律事務所代表弁護士)】
